第７４回韓国警察の歌
[VIETSUB][MV] KIM Junsu - Because You Are Me - YouTube
このビデオを見て、負けたと思った。
どこかの国が警察の歌というのを作るとしたら、こうはならなかったろう。
勇ましさ、権威、敬礼、力強さ等を全面に押し出してくるだろう。
ビデオには、偉い人の姿、一直線に並んだ隊列、一糸乱れず行動する隊列、最新鋭の設備、、敬礼、精悍な警官の姿が描かれるだろう。
昨年の73回警察の歌は、どちらかというとその路線だった。
空の上から映した一糸乱れぬ隊列、ヘリコプターから吊られたロープでビルの窓へ飛び込む姿、ピストル訓練の姿、雨の中で交通整理する姿、一斉敬礼の姿があった。
今年７４回警察の歌は、それとは真逆だった。
歌も、有閑さとは真逆な、静かで優しいメロディで歌詞である。歌詞の日本語訳を見ても、警察を連想させる用語はない。
警察の歌という副題があるが、それがなければ警察とは何の関係もないけどいい歌であったろう。
ビデオは、女性警官の姿が多い、子供、老人、車椅子の人の姿もあり、全世代を代表している。子供の写真を見る父親警官、雨の中で交通整理、スーパー警官の姿でなく、市民に寄り添う警官の姿を描いている。
穏やかな、ソフト路線をいっている。
どの国にも一人の才能ある音楽家が生まれることはあるだろう。
しかし、このビデオを見ていると、ビデオクリエイター、作詞家、作曲家、歌手等、そして全体を統括するダイレクター等総合的に才能があるのがわかる。そしてこのビデオの路線を決めた上層部にも拍手を送りたい。
組織の中には、上の機嫌を取るため、上部にいる人に媚びを売るような露骨な演出を行いたいと思う人がいる。そしてそれに逆らえないことがある。
このビデオを見ていると、そういう人がいたのかもしれないが、その動きが阻止されているのがわかる。
私がかって働いていた日本の古い会社より、健全な組織だというのがわかる。
このビデオを見ていると、「成熟した文化」という言葉が思い浮かぶ。最新鋭の工業製品をいくら作って輸出しても、世界の尊敬は得られない。しかし、人の心に刺さるようなものを何本も作られると、（外の人は）帽子を脱ぐしかない。
ジュンスの歌が聞けてよかった。ジュンスの歌はアジアの宝。大事にしないと。
